シルバーコンチェルトのボディ研究 [メンテナンス]
ご大層なものではございませんが、愛器シルバーコンチェルトを掃除のために分解しましたので、ボディの写真をパチリ。
ご覧になったことのある方も少ないと思うので、少しずつアップでご紹介してみようかな?などと。
この楽器、うまいこと作られていると思います。ホント。
このボディ、基本的に銀の塊から削りだして作られているのだと思います。
まずは低音部の溝。2段階に削られているのが分かりますか?全体が斜めに削られていて、右半分だけがまっすぐに深く掘られています。
リードプレートをかぶせると、この右側の深い部分に内側のリード、つまり吹音のリードが来る部分。左側はバルブ、つまりは吸った息の流れを作るために斜めになっているのかな?
ま、全面的に信用しないでね。
で、こんどは高音部の溝。9番から12番の溝です。
上部の斜めの削り出しを見ると、いかに浅くなっているか分かりますよね。当然、高音を出しやすくするためです。
もっとも、最近は270でも高音部はこんな風に浅くなってますね。ちなみに私の持っている270は2003年購入。その頃のボディは低音部から高音部まで同じ深さで削られてますな。最近は改善されている、ということでございます。
さて、ちょっと番外編。
シルバーはスライドレバーのスプリングを左右どちらにも取り付けられる・・・らしいです。っつうか、反対側に付けようという気はないので、やったことはないのですが。
今回はこちら側からしか撮影してないのでスプリングの付いていない穴だけご披露しますが、写真がスプリングの取り付け場所(左利き用?)。下の方にかろうじて写っている穴にネジ止めするのです。
で、これが一番大事なところ。ボディにたくさん開けられている穴。
ひとつ上の写真、こちらと反対のサイドにもスペースがあれば穴があけられています。
これはおそらくボディの重量を軽くするためのもの。確かに925スターリングシルバーの塊で作ったら相当の重さになります。ま、実際重たいけど。で、これを少しでも軽くするために、不要な部分・・・隙間があれば穴あけて軽量化しているのだと思います。
ちょうど市販車をレース仕様に仕立て上げていくようなもんですな。
ボディを軽くするってのはどんな意味があるのか?
単に演奏者の負担を軽くする、ということではなく、ボディの持つ共振周波数・・・って言うのかどうかしりませんが、簡単に言えば重量が軽い方が音が響くらしいです。なんとなく分かるでしょ?
ということで、愛器シルバーコンチェルトの裸のボディをお見せしつつ、説明らしきものをしてみました。よく出来てますでしょ?こうやって見ると。
おそらく私よりも詳しい説明を加えていただける方もいると思いますので、追加説明などございましたらぜひどうぞ。
穴が開いてるのは知りませんでした。一つ勉強になりました。
by Katsuya (2010-01-18 08:12)
いつも掃除の際に見ているんだけど、意味を考えると深いぃですね。
by ますみ (2010-01-18 20:57)