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「作曲は鳥のごとく」 吉松隆 [雑感]

作曲は鳥のごとく

作曲は鳥のごとく

  • 作者: 吉松 隆
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2013/03/19
  • メディア: 単行本
ようやく購入しました。

実は3月20日の吉松さん還暦コンサートの会場でサイン入りで先行発売(?)されていたのですが、2,625円というなかなかお高い本なので躊躇しておりました。同行したピアニストさんお二人はお買い求めになってましたが。

先日のリハーサル時に師匠もお買い求めになったという話をうかがい、そういえば1,500円分の図書カードを持っていたことも思い出したので、思い切って買ってみたというわけです。

で、読んでみると・・・、

吉松さんの文章は相変わらず面白い。軽妙洒脱というのか、作曲家として芽が出ない時期の暗くなりがちな時代の話も楽しく読ませていただけます。

師匠と吉松氏の出会いは古く、氏の曲が初めて人前で演奏されたのは師匠の演奏によるもの。故原田力男さんプロデュースによるいわさきちひろ絵本美術館でのコンサートシリーズでのことで、そのこともしっかりと書かれています。

ちなみに私もその演奏は聴きに行ってないのですが、(おそらく)同シリーズのひとつ、渡辺香津美さんのソロギターによるコンサートは聴きに行ってます。関係ないかな?

師匠からうかがっていた当時の吉松氏の人柄・・・誘ってもお酒を飲まれなかったことの理由も本の中で明らかになってます。

音楽の「スタイル(様式)」に関して書かれたことに思わず大きくうなずきました。

古典からロマン派を経由して近代から進化したのが「現代音楽」と捉えるのがアナログ的発想。それに対して、古代音楽だろうが民族音楽だろうが古典や近代だろうが「すべて等距離からアクセスできる」という視点で現代の音楽をとらえるのがデジタル的発想ということになるだろうか。   同書より引用

 我々よりも後の世代にとっては上記デジタル的発想というのがデフォルトだと思います。そうでしょ?

吉松氏の考え方、発想にはうなずけるところが多く、もっともっと紹介したいのですが、ここで多くを語るには時間も足りないので、少しでも興味をお持ちの方はぜひご購入を・・・ってようやく買った人間の言うことではない。

そういえば、ジャパンアーツに所属してマネジメントを任せた際のくだりに「語学堪能なマネージャー」さんとして大沼千秋さんが登場してますが、ん?どこかで目にしたお名前。

4年ほど前、私がCD "Romances" iconを録音する際に吉松さんの「4つの小さな夢の歌」をどうしても入れたくて、その許可をジャパンアーツにメールで問い合わせた際に丁寧にご対応いただいたのが大沼さんでした。昔のメールを引っ張り出して確認してしまいました。

その節は大変お世話になりました・・・って、こんなところでお礼言ってどうする(笑)。

まだ途中・・・CHANDOSでのオーケストラ全作品レコーディングが決まってジャパンアーツと契約したところ・・・までしか読んでないのですが、ま、こういう自伝物は下積み時代の苦労が面白いと相場が決まっております。もちろん、大作曲家となられてからのお話も期待しておりますが、途中で紹介しても罰は当たりますまい。

自伝というと堅苦しいものを想像するかもしれませんが、読み物としてもとても面白い作品。楽曲に限らず、これもまた間違いなく吉松作品ですね。お薦めです。

吉松隆さんの楽曲にお世話になってるハーモニカ吹きは読んでおかなきゃまずいんでないかい?


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コメント 2

Katsuya

ますみさんのこの文章を読んで、読みたくなりました!でも、買うのは、まだ先かと。
by Katsuya (2013-05-14 19:09) 

ますみ

買っちゃいましょ。
いつ買うか?今でしょ!
by ますみ (2013-05-15 09:57) 

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