ブルーゼット:崎元譲&美野春樹トリオ [師匠のCD]
おそらくハーモニカ吹きなら誰もが気になるのが、タイトル曲の「ブルーゼット」をクラシック奏者である師匠がどのように料理するのか。
正確には師匠のことをよく知っている美野春樹さんがどのように消化して再構築するのか、ということにあると思います。
聴かずとも、演奏者一覧を見るとそこにヒントがありました。
美野春樹トリオがバックを務めるのは最後の3曲だけ。つまり「ブルーゼット」は師匠と美野さんのデュオで演奏されるのです。
実際に聴いてみるとそれは「ブルーゼットの主題による変奏曲」とでもいうべく、トゥーツ作による美しいメロディがクラシックの作品のように昇華されていました。
アルバム全体としてはすべての曲のアレンジと作曲を手掛けている美野さんの色がとても濃く表れていて、私としてはアルバムの半分以上を占める美野さんのオリジナル作品(旧作も含めて)がハーモニカの持ち味をとてもよく引き出している素敵なアルバムに仕上がっていると思います。
ピアソラの「忘却」は以前御喜美江さんのアコーディオンと録音されたことがありますが、美野さんのピアノとは初録音。何とも言えない色気を感じる作品です。
「リベルタンゴ」はライブでは聴いたことがあったのですが、ようやくCD化されたもの。美野さんの素晴らしいピアノによるところも強いのでしょうが、すごいドライブ感でぐいぐいと引っ張られます。
自らハーモニカを演奏する人でなくでも、飽きることなく楽しむことができる素晴らしいCDだと思います。
これは「買い」でしょう!
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