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パッカーとタングブロック・・・ジャズとクラシックの奏法の違い [朝練]

イメージ 今日のお勤めを終えれば明日からは5連休。5日間も休んじゃうと会社への道のりを忘れてしまいそうな予感。さ、今日1日がんばりましょ、ということで、雨の予想は午後からだから、会社の置き傘の出番として傘を持たずに家を出ました。

曇り空の下お供にしたのは、私をハーモニカの道へと導いてくれた、あるいは引きずり込んだトゥーツ・シールマンスのQuiet Evenings。残念ながらこのアルバム長いこと廃盤になっているので、写真は一部収録曲がダブっているイメージ 。もっと他にQuiet Eveningsに近いアルバムがあればfuji-h師匠あらためHG師匠が指摘してくれるでしょう(他力本願)。

さて、ハーモニカねたの続きでなんですが、今度のクラスタ・ライブにちなんで、クロマチック・ハーモニカにおけるジャズとクラシックの奏法の違いなんてことについて少し書いてみます。たいしたことは書かないので、ハーモニカ吹いてる方=知ってる方はパスしてください。また、ジャズにおけるインプロヴィゼイションみたいな、いわゆる楽器全般に共通することも書きませんので、あしからず。

パッカーとタングブロック -ジャズとクラシックの奏法の違い-
クロマチック・ハーモニカにおいてはジャズ(ポップスなども含みます)とクラシックの奏法に大きな違いがあります。一言で言うとハーモニカのくわえ方。皆さんが普通にハーモニカで音を出そうとすれば、口をすぼめて一つの穴をくわえて音を出すことになると思います。この奏法をパッカーといいます。ジャズやポップスなどを演奏する場合、普通はこのパッカーで演奏します。ですが、クラシックの場合、一つの穴ではなくまとめて3つくらいの穴をくわえて、舌を左に寄せて唇の右端から息を出し入れして一つの音を鳴らします。この奏法をタングブロックといいます。クラシックを演奏する人のおそらく9割方がタングブロックを使用しています。

どちらの奏法にもそれぞれ利点があります。私はタングブロックを主に使ってますのでその視点から書きますと、まず第一にタングブロックの方が柔らかい音・・・クラシック向き、パッカーの方がよりストレートな音・・・ジャズ・ポップス向きといえるでしょう。もっとも音色に関しては好みですのでなんともいえませんが。

次いでタングブロックの特徴として、パッカーに比べて音程が安定します。パッカーの場合一つの小さな穴をくわえるために、口腔内を縦方向に広げるイメージになります。タングブロックの場合は舌を左に寄せてハーモニカを横に広くくわえるため口腔内は横に広がるイメージになります。パッカーでは口腔内が縦に広がり、舌を下方向に下げて空気を出し入れするわけですが、舌の位置(高さ)によって空気の流れが変わり音程が変わり易くなります。ジャズやポップスの場合、これを利用してフェイクやベンド、つまり一つの音に対して音程を下げたところから始めたり、音の終わりに向けて音程を下げるなどして音楽に表情をつけます。クラシックの場合それはなく、音の出だしから安定した音程を要求されるので、タングブロックの方が有利になります。ちなみにタングブロックでベンドは・・・できなくはないけど相当難しいです。ベンドはジャズやポップスでは欠くことのできないテクニックですのでやはりパッカーを選択するのが普通ですね。

また、タングブロックの方が咽頭から口元までの距離が短くなり、頬が膨らむ余裕がないため、空気の出入りがリニアになり、細かい吹き吸いの切り替えが容易になります。パッカーの場合、頬の伸縮がバッファーとなり吹き吸いの切り替えが1テンポ遅くなるように感じます。そのため主に譜面に書かれたとおりに演奏する必要があるクラシックにとってタングブロックが有利ということになります。

ジャズやポップスを演奏する上でタングブロックが致命的に不利な点はタンギングができないことにあります。下を左に寄せているのですからできるわけないですよね。ジャズなどを演奏する際はタンギングによる強いアタックや表情づけが必要となるためタンギングのできないタングブロックは敬遠されるわけです。逆にタングブロックを使用するクラシック奏者は喉を使って空気を切って音を切ります。タンギングの場合、舌を動かす関係上どうしてもアタックの際に音程が微妙に変わることもあり、クラシック奏者はあまりタンギング自体を使いません。もっとも特別に強いアタックと硬い音が必要なときにはパッカーを使用しタンギングを使用することもあります。

クラシックの楽曲の場合、特にハーモニカのためのオリジナル楽曲の場合、重音・・・3度(隣の穴)、6度(二つ穴飛ばし)、オクターブなどで演奏することが譜面上に指示されていることがあります。当然、単音で演奏していてすぐに重音に切り替える必要があるわけです。この場合、タングブロックから重音へ移行するのは楽、というかパッカーからオクターブへ移行するのはかなりしんどいものになります。ということでここにもタングブロックを使用するという意味があるわけです。

まだ他にもいろんな理由があってパッカーとタングブロックの使い分けがあるわけですが、ざっと書くとこんなところじゃないかな?どちらの奏法にもそれぞれなりの意味があり、これじゃなきゃいけないというものはないのですが、一般論としては上記のようなことになると思います。ま、音楽ですから、自分の望む表現ができるのであればどんな奏法でもいいのですが。



さて、連休前最後の朝練。カートンの切れ端で譜面台ができました。ちと悲しい・・・(T.T)

♪スケール
♪セレナーデ
♪カプリース
と、今日は少し念入りに準備運動をして(メニューはいつもどおりですが気持ちの問題)、今日は少し懐かしい曲をやってみました。
♪4つの小さな夢の歌
全曲を本当に久しぶりに通して。以前はずいぶんあちらこちらで演奏したんだけど、最近はやってませんなぁ。先日、師匠のこの曲の演奏を聴いた方から「ハーモニカに似合う曲」という話をうかがい、確かにそう思って昔はたびたび演奏していたことなど思い出しました。
続いて同じくハーモニカに似合う曲ということで、
♪3つのアメリカ素描より オールド・ボストン
を、これまた昨年末のクラスタ以来演奏していなかったのを通してみました。憂いを含んだいい曲です。
で、最後はフランク。
♪ソナタ イ長調
の4楽章を練習して、時間オーバーで本日も終了いたしました。

さ、明日からは5連休。寝るぞー!・・・(T.T)


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コメント 2

スザンナ

奏法はちょっと難しいです。実際に吹いてみないと感覚がわからないかもしれません・・・カートンの「譜面台」にnice!!!
良い連休を☆
by スザンナ (2006-05-03 00:23) 

ますみ

スザンナさん、どもです。
写真の状態だと譜面の下端が手前に滑ってくるので、同じカートンを細長く切って両面テープで貼り滑り止めをつけました。
・・・GWの工作の宿題みたいです。
by ますみ (2006-05-03 08:34) 

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